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待つこと約1ヶ月。 留守電に着物が仕立て上がったとの連絡が入っていたので、早速受け取りに行きました。 仕立て上がった長着と羽織です。折角なので試着してみます。 やはり、自分用に仕立てた物はしっくりきます。軽くてイイ感じです。 これが長着に共色で入れてもらった紋。思ったよりはしっかり見えます。 羽織も着てみました。やっぱり羽織ると言うのかな?考えてみると「羽織る」って言葉は今でも日常的に使いますが、羽織があったから使った言葉ですよね。羽織を着用する際の行為がそのまま動詞になっています。面白いです。 ちなみに羽織紐がなかったので、その場で選んで購入しました。 さて、これで今回の取材、「着物を誂えよう」は完結です。 写真撮影、取材等、色々ご協力頂きましたえいたろうさん、ありがとうございました。 ◆男のきもの えいたろう屋 〒604-8166 京都市中京区三条通烏丸西入北側 文椿ビルヂング1階東南角 営業時間:11:00~20:00 定休日:なし TEL/FAX:075-211-2255 http://www.eitarouya.com/ ちなみにえいたろうさんは同じお名前で和食の食事処も経営されています。 こちらも予約必須の人気店です。 ◆えいたろう屋 京都府京都市中京区御池通室町東入ル龍池町448 営業時間:17:30~23:00 定休日:日曜日 TEL:075-221-4604 投稿者:旅館こうろ 北原達馬
昨日のつづきです。 まずサイズを測ってしまいます。綿の着物を作ったときにも一度測っていますが、お召しの着物は縮まないので正確に測ります。縮まないというのは正しく言えば、洗わないから縮まないという意味だと思います。実際の生地の性質上は水に濡れると縮みます。綿の着物は洗っても構わないのですが、若干縮むので最初に多少ゆとりを持ったサイズに仕立てます。お召しは洗えないので縮むことはない、つまり最初に仕立てたままのサイズになるという訳です。 サイズを測ってしまったら、また色々「選択」をしないといけません。まず羽織の額裏(羽織裏)を決めます。男性の着物は柄が地味な分、見えないところでお洒落をします。その一つが額裏です。羽織の裏側の部分で、着ている間は見えませんが、脱いだときにちらっと見える。その時に洒落た額裏を選んでいるかどうかにセンスが表れる訳です。 骸骨柄やマッチの柄などもあります。面白いですが、今回の目的からするとカジュアル過ぎます。 上の写真のような山科絵と言われる絵を選んだり、希望する絵を特注したりも出来るので、この部分は凝り出すときりがないのですが、今回あまり仕立てに時間をかけたくなかったので、特注はあきらめました。大変残念ですが無難な柄を選びました。 最終的に選んだ物です。上から額裏(宝づくし)、羽織、長着となります。 最後に長着の裏地を選びます。長着は袷にします。長着は単衣(ひとえ)と袷(あわせ)があって、要は裏をつけるかつけないかです。夏物などはみな単衣です。この裏につける生地はまた種類が違う物で、金巾(かねきん)と呼ばれます。非常に細い綿でつくられており、光沢があります。 おっと、今回はまだ続きがあります。紋を入れなければならないのです。まずは家紋が何であるか?恥ずかしながら自分の家の家紋が何であるか、正確には分かっていませんでした。また実際に家紋は似たようなものが大変たくさんあるので、きっちり調べる必要があります。そこでこんな物を貸して下さいました。 「平安紋鑑」。日本中の家紋が載っている図鑑です。単に自分の家紋を調べるという以上に見ていると面白いものです。家紋の多様さ、優れたデザインには感心します。ヨーロッパのモノグラムにも影響を与えたと言われますしね。 で、調べた結果、北原家の家紋は「丸に剣片喰(けんかたばみ)」のようです。 家紋が分かったら次にこの家紋をどのように着物と羽織に入れるかです。私のイメージには白い紋しかなかったのですが、どうもそれは黒紋付の場合(染めの段階で白く抜く)で、普通は共色(ともいろ)と言って選んだ生地に似た色であまり目立たなく「刺繍」することが多いそうです。 さらに描き方として「日向(ひなた)」と「陰(かげ)」があるとのこと。模様を埋めてしまうか、輪郭だけ取るかです。 例をあげると、同じ紋でもこういう風に入れると「日向」。 こっちだと「陰」。 しかし、紋鑑によるとそもそもこれらの紋は別物ですから、家紋を正確にあらわそうとすると日向か陰かは自動的に決まってくると思います。うちの場合は日向になります。 刺繍の色を共色にするか生成の色(素の糸の色=ベージュっぽい白)にするかは、結局長着を共色、羽織を生成の色と別々にしてみました。 すべて新調するとなると長襦袢も必要ですが、これはすでに持っている物を使用します。また帯や羽織紐については後からでも考えられるので、今回はとりあえずここまでで発注することにしました。 あとは約一ヶ月待つだけです。 ではその三に続く。 ◆男のきもの えいたろう屋 〒604-8166 京都市中京区三条通烏丸西入北側 文椿ビルヂング1階東南角 営業時間:11:00~20:00 定休日:なし TEL/FAX:075-211-2255 http://www.eitarouya.com/ 投稿者:旅館こうろ 北原達馬
開花宣言後すっかり冷え込んだせいで、思ったより開花の進まなかった京都の桜も今週あたりそろそろ見頃をむかえるでしょうか。 今回の記事では旅館こうろの北原が着物を誂える様子を一からお伝えしたいと思います。何分着物については素人ですので、記事の中に間違いがございましたら優しくご指摘下さい。 2年前の秋からこれまでに私は木綿の単衣の着物と羽織、夏用の綿麻の着物を作りました。しかし、これらの着物ではちょっとした会合や会議に出席するにはカジュアルすぎます。そう言うわけで今回は略礼服としての着物を作りたいと思った次第です。「お召しの着物」です。 ご協力頂いたのは男のきもの専門店の「えいたろう屋」さん。私が最初からお世話になっているお店です。 烏丸三条を少し西に入ったところにある文椿ビルヂングの1階に店舗を構えられています。もとは白生地卸しで、主に神官装束を作っておられたそうです。本家は室町の張田商店さん。男の着物は最初はネット販売からはじめられ、平成16年に現在の三条店がオープンしました。最近は素材にしても仕立てにしても製造が海外で行われる場合も増えてきているそうですが、えいたろうさんは国産と国内での仕立てにこだわって着物を作っておられます。 入り口の看板です。 レトロな雰囲気の店内。 帯、羽織紐、雪駄など小物も色々そろっています。オリジナルの商品も開発されています。和装に似合うカバンや帯に付けられる携帯入れ(便利!)なんかもあります。 さて、着物を作りたい!と思った最初の時点でまずつまづいてしまうのが、どこで買えばいいの?ということ。最近はネットなどの通販で着物が買えますし、そう言ったお店で手に入る既製の着物はお値段的にもお手頃です。 ただし、着物は洋服と違って、ちょっと体に合わないものを着ると不格好なのがすぐに分かってしまいます。素材の善し悪しも目につきやすいです。またネットでも男性物は女性物に比べるとかなり品物が少ないです。そのことを考えると、どうせ買うならやはり店舗で相談しながら自分の着物を誂えたいというもの。 えいたろうさんはそんな男性が着物を誂えるには大変ありがたいお店です。私も初心者丸出しで通っていますが、色々気さくにお話しして頂けるので助かります。 今回のおおまかな目的は「お召し」の略礼服を作ると言うこと。長着と羽織を作ります。私も知らないなりに「お召し(おめし)」というのがちょっと良い着物というのは耳にしていました。しかし、お召しというのが一体何のことを指しているのか分かりません。今回はまずそこからです。 着物は反物から作ります。織った布をくるくる巻いてあるあれです。 ↑これ。 反物は大雑把に言えば素材と布の種類(織り方?)で分類されます。素材は綿、麻、絹と言ったものです。絹のものについては「正絹」と書いて何故かショーケンと言うので覚えておいて下さい。細かく言うと織物は縦糸と横糸に別の素材を使うことが出来るようで、縦糸も横糸も絹の100%絹製品が正絹となります。 で、布の種類。よく聞くのは紬(つむぎ)です。紬は木綿糸か絹糸のうち若干質の劣るもので作った紬糸から作った布です。風合いが特徴的なので、紬はすぐに分かります。布は他に羅、絽、紗、縮緬などたくさんの種類あります。お召しも縮緬の一種になるようです。「横糸に強い縒りがかけてある」らしいです。それが布表面の特徴になって現れています。素材は絹で高級品です。徳川第11代将軍家斉が愛用したことから「お召し」と呼ばれるようになったそうです。 着物にはTPOに合わせたルールがあります。紬の着物は絹でも礼服には出来ないとか、お茶席にはお召しと言ったようなことです。今回は礼服なのでお召しです。えいたろうさんでは「梨地(なしじ)」という生地もすすめられました。これもお召しと同格の高級品で略礼服に使用しても問題ないそうです。 まずはお召しの生地から長着と羽織の色を選びます。生地選びは楽しいものの、大変悩む部分です。手触りを確認したり、外に持っていって太陽の光の元で色を確かめたり・・・ 色々並べて色や風合いを比べます。 反物の状態でも体に巻いてみると、実際の感じがおおよそ分かります。 悩んだあげく、まずはメインとなる反物を二つ選びました。まだまだ決めることがあります。 その二へつづく。 ◆男のきもの えいたろう屋 〒604-8166 京都市中京区三条通烏丸西入北側 文椿ビルヂング1階東南角 営業時間:11:00~20:00 定休日:なし TEL/FAX:075-211-2255 http://www.eitarouya.com/ 投稿者:旅館こうろ 北原達馬